いつものようにそこにいて、いつも以上に温かい寒風沢へ

『寒い風の沢と買いて「さぶさわ」と読むんですよ。しぶさわじゃないですよ。笑 そういえばたしかにもう風が寒いくらい冷たいですよね~』
10月の末の潮風はすでにけっこう冷たく頬に刺さる塩釜の朝、汽船に乗り込みながら周りの人に話します。いつもはじめましての人びとと島を訪れるとき、いつの間にやら恒例になった瞬間です。
島津さん、八木さんに迎えられて島歩きへ。はじめましての人びとにとって、この景色はどう映るのかなと脇を見やると、みなさん目がキラキラと。生き馬の目を抜く業界で海千山千の人たちの目が、少年少女のようにキラキラと。
前に来た人たちが島の人たちと一緒に、仲間の証として植えた桜が一本弱っていました。島の人たちは、その桜の木をなんとか元気にしようと考えました。一緒に植えた人たちがきっとまた見に来るから、と。同時に、今回来てくれる人たちに対しての配慮も。
『今度来る人たちと一緒にやったら、みなさんに楽しんでもらえるかね?』
そこで竹を使った簡単な土壌改良をやることにしました。
どこからともなく矢のように飛んでくる軽トラの一団。島のイケメン軍団が手に手に道具を持って登場です。
『竹を切りたい人~!?』
『はぁ~~~い!!!』
『穴掘りたい人~~?!』
『よっしゃやるで~~~!?』
・・・どうやら楽しんでもらえたようです。

またたくまにみんなで仕事を終えて、それから楽しい懇親会。
腰を落ち着けてこそ話せる島の今昔、生活のこと、未来のこと。いつの間にやら四方山話。宴は踊り、盃は回り、笑顔も涙も入り混ぜて。島のリアルがそれぞれの感覚としてココロとカラダに沁み入るころ、お別れの時間。
行きよりももっと寒い風が吹く夕暮れの海の上で、お酒と涙と人の熱にほてった頬を痛いくらいに刺す風に向かって、ふと。
『あったかかったよね、さぶさわ』
送り際に八木さんより、みなさまへメッセージ。

『本当に、い・つ・で・も、来ていいからな』

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