5年後の桜のために、今できることを考える
正式にプロジェクトメンバーとなって、1年が過ぎた。
昨年は、活動地域でもある岩手県田野畑村に数回訪問し、普通だったら会えないような人たちと、村の未来について語り合った。学生時代は東京にいて、村にUターンで帰ってきた青年は「村のために何かしたいし、仲間内で集まって議論もするけど、なかなかできない」と言う。また、村役場の職員や地域の社長なども、それぞれが自分の村のために何かしたいと考えている、ということも聞いた。
その度に、よそ者である我々が、たまたま関わりを持ったこの村に何ができるのかを真剣に考え、昼夜議論した。まだその志は発展途上なところはあるが、桜の植樹を通じて貢献できた部分もあるのでは、と思うところもある。それはそれとして、牛乳ビンに入った三陸のウニがあんなに美味いとは思わなかったなぁ。
また、プロジェクトメンバーとも、週一回のミーティングを重ねる中で関係性を深めていった。その後は必ず飲みに行ったものだが、その議論もまた、熱かった。
元々、縁も所縁もなかった人たちと、プロジェクトという価値観を共有するだけでこんなにも話は通じるものであるのかと、多くのことを経験させてもらった1年だった。
プロジェクトが発足してから5年。
こうして、自分がたった1年携わった中でもそう感じるのだから、プロジェクトが経験したこと、語り合った人はどれだけのことだったろう。そしてこれから自分はどれだけ成長していけることだろう。
そんなことを想像しながら、桜の木に今までの人生と、これからの人生を重ね合わせ、眺める。
とは言えまだ、5年。さらにこれからの5年は面白いことになりそうな予感がする。まずは今年、寒風沢島に行って島の人たちと語り合ってみたい。
5年後には自分は40歳。不惑の年を不惑で迎えられるように、今何ができるか。
慌てず、それでいてゆっくり過ぎず、考えていきたい。
text_Takashi Sasaki