たどり着いた渡波

東京から始発の新幹線に乗って仙台へ。仙台から高速バスで石巻へ。タクシーを乗り継いでたどり着いた渡波。

「一番朝早く起きた方は、3時だっておっしゃってたわ~。私はそんなに早くなくて4時だけど。笑」

「あら~田中さん、お待たせしちゃって!楽しみにしてたのよ~」

竣工した新工場から、かつての地まで数百メートルの道のりを、みんなで歩いてみることにしました。

「この景色を見て、この土地にはもう住めないっておっしゃる方の言葉の意味が、初めて自分自身理解できたような気がします。」

ふと、そんなつぶやきが聞こえました。

「この道は小学校の通学路だったんですよ。離れていく人は少なくありませんが、この場所に暮らしていたことは事実。少しでもたまにでも戻ってきたときに憩いの場になるようなところがあったら。今回の庭づくりにはそんな想いもあるんです。」

ここにいる人たちも、ここを訪れた人たちも、みんな一緒に、みんなのための、明日の庭を、つくろう。