7年前の小さな芽

最近、よくスペイン坂を歩くようになりました。

スペイン大使館から六本木通りに向けて下るこの坂には、ソメイヨシノの大木が並んでいます。

毎年桜の季節になると、普段花なんて一ミリも関心なさそうなスーツのオジさんが、携帯で桜の写真を撮っている光景に出くわすのがお約束です。また蕾がようやく目立ち始めたばかりの桜並木だけれど、見ているだけでなにか誰しもがソワソワする、理由はわからないけれどなんだか気持ちが明るく、軽くなる、そんな季節です。

2012年に、再開発で歩道橋をつくる工事のために、この桜が一本切られてしまう、ということがありました。わたしたちは、近隣に暮らしていて、この桜並木を楽しみにしていた人たちと一緒に、切られてしまう桜の芽を継いで、その命を遺そうと考えました。

命を継がれた小さな芽は、石巻の渡波という場所に運ばれ、個人の御宅の庭先で、今日まで潮風に吹かれながら成長しています。7年が経とうとしています。

もうすぐ、春ですね。