未来への笑顔

ふと、社の裏側からひとりの女性が現れた。

黙々と働く男達に一瞥をくれて、

「鹿はこのくらいのネットじゃダメよね、こうやって前足を掛けて押し倒したり、下からくぐったりね。もうほんとに大変なんだから!」

とのたまう。

「オークションが終わって、一度家に帰ったんだけどね。桜を植えてるっていうから、見に来ちゃったのよ。」

ニコリと、笑顔である。

またひとり、そう遠くない未来を楽しみにしている人に出会う。