はじまった物語

こうして、土地に暮らす人々の手によって、またひとつ未来に伝えられる物語が紡ぎ始められていく。

否が応でも互いの環境の中で、その関係性の中で続いていく長い長い時間にどう向き合っていくのか。

土と植物と、そして人間の関係性。

ここには、そして目の前に、大きな海がいる。

山の中からは、鹿も出てくる。

小さな木を植えて、大きく育つまでの長い時間に想いを馳せること。それは私たち人間が社会的な制約や個人の能力の限界や抑えがたい自我や欲求を抱えながら、こうした周囲の関係性たちとどう向かい合うのか、「自分」というものと対峙する入口になり得るのではないだろうか。

そんなふうについつい大上段に考えてしまう都会人のことなどどこ吹く風。

男達はたちまちひとつのアートを完成させている。