牡鹿に生きる男達

2012.02.11 牡鹿の地に生まれ、牡鹿の地に生きた男達の記憶は、2011年3月11日を経て、なおも生き続けている。あの日を境に変わり果ててしまった海と荒野を見据えながら、それでも男達の目には自分の寿命すら超越したような遠くを見つめる闘志にも似た気配を感じた。

雪で湿った大地をグッと踏み込み、一輪車を押し出す彼らの後ろ姿を見つめながら、自らの運命を境地へと追いやったこの自然に対峙しようとする男達の足跡を、どうすれば未来へと届けられるだろうか、なんとしても届けなければと心に迫るものがあった。牡鹿町大谷川の大地に小さくて深い6個の足跡が続いていた。