ある女性の奔走

2012.02.11 牡鹿の男達の歌声がかの地に響き渡るその影には、ある女性の奔走があった。

2011年の大災害以降、僕らも三陸への旅を始めた。そんな男達よりも早く、三陸の地に入り、自らの人生のエネルギーの全てを費やして、その土地で苦しみ悲しむ人々を慰め励まし、共に生活をした女性達がいる。そんな女性に何人か出会って来た。ここ牡鹿の地にもそんな女性がいる。

彼女には、土地の男達が子供のように話しかけ、いい意味で尻を叩かれてもいる(笑)。彼女の屈託のない笑い声と、じっと見つめる目の奥には、あの日以来、土地に混じり人に混じり生きてきた人間特有の憂いのような優しさがへばりついていた。その物語の続きは、もう少し後に綴ろうと思う。