ワタノハノ庭

【ワタノハノ庭〜概念を超えるパブリックガーデンの物語始動〜】

2013年3月17日。みんなで長い時間をかけて創っていく“庭”が始動。

前日から仲間と共に石巻渡波地区に入り、明日ここへ集う人たちがジブンゴトでこの庭に関われるようにするための仕掛けと基礎工事を日暮れまで続けた。

そして、快晴の17日、そこに込めた俺の意図と想いはみんなに受け取っていただき、その地域に生きる家族、東京からの賛同者、尽力していただいた企業、関係者、みんなで現実のカタチにしていただいた。

これまでもご縁を頂き、三陸を中心に関わった場所と人々はいくつかあるが、そのいずれの地も、いろんな人の想いを受けられて、そして新しいストーリーを生み出してく場所にしていくのが俺の細やかな役目やと思ってる。

そして、このワタノハノ庭でも、人も場所もちょっとずつ前進して変化していけるんやという現実をまたしても目の当たりにして心が震えていた。

想像を超える未来になるように俺自身、全身全霊で向わんとあかん。これまた震える瞬間でもある。

あらゆる人と土地と、そこに重なった想いとご縁に心底感謝です。

『この場所を、そこに集ってアクションを起こしたみんなにとっての“あの場所”へ変換する』その日のワタノハノ庭のミッションは達成されたと想う。

そして、ここから成長するあの庭を、今はまだまだ未完の庭を、未来へ向かう無数の物語が交叉して交感される場所にすることが徹底的に始まって行く。

この場所に生きた家族のお母さんは、帰る時に『もうあの世にいってもいいと想ってたけど、まだまだ生きなきゃね』と、ポツリとおしゃってくれた。

おおげさなことでなくて、どんな状況だろうが立場だろうが、あの場所で、ほんの一人でも人の気持ちが前向きに変化したとしたら、それが最も意義あることだった、と俺個人は想っている。

今後も俺が走る理由はそんなところにあったりする。

ワタノハノ庭はここからスタートした。これからも人が集い、前へ向う場所にしていく。そんでもって、渡波に生きる家族の日常や記念日と、外からの人の非日常やストーリーが、あの場所で重なるような動きを生んで行こうと想っている。

そのための仕組みをもう既に創りはじめている。

ワタノハノ庭が生むプラスの物語は、今有る概念を遥かに超えるところで、必ず渡波地区を変えて行く。

場所だけでなく、その地に関わった人のストーリーをもプラスへと変えて行く。

またひとつ物語が動き始めていく。
感謝です。

追記・・・ワタノハノ庭には、福島県矢祭町から頂いた、矢祭町に咲く樹齢600年の『戸津辺の桜』の種から育てた実生の桜苗木を植えさせていただきました。種から育った桜の強さと美しさが、未来のワタノハの物語と重なっていくと想います。矢祭町、関係者の皆様の想いとご尽力に心より感謝申し上げます。近々、矢祭町にも伺わせていただきます。ありがとうございました。